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2015年10月26日

動画制作における三幕構成(カロリーメイトCM動画検証)

ホワイトボードアニメーション制作で説明・解説動画の次に多い
案件が”メッセージ動画”です。

商品やサービスそして会社のブランド力向上のために多く利用されます。
さらには人材採用のため企業理念やポリシーを伝えることもあります。
最近では社内向けメッセージとして啓蒙動画も作成されますね。

これらのメッセージ動画で必要なものは、すばり”物語”です。

ブランディングや啓蒙動画はその動画を観てもらった後に視聴者の
行動を変えもらわなければならないのです。

どんな理屈や飾られた言葉で説明されても人は行動を変えない。
人が行動を変えるのは心が動いた時なのです。

心を動かすには物語が必要ということです。

この物語の技術として三幕構成は非常に有名です。
脚本やシナリオを勉強された方は必ず知っているでしょう。

この三幕構成は当然動画の世界にも役立つ技術なのですが、
あなたが日ごろ人に説明する場面や会社でのプレゼンの時なども
非常に役に立つ技術なのでぜひ活用してもらいたい。

三幕構成とは何か?

簡単に言うと、物語を以下三等分する考え方です。

  1. 第一幕(状況設定)
  2. 第二幕(対立、葛藤)
  3. 第三幕(解決)

そして、第一幕と第二幕の間及び第二幕と第三幕の間には物語の転換点
となるプロットポイントを置きます。

第一幕と第二幕の間にプロットポイント1を置きます。
このプロットポイント1から本当の物語が始まります。

そして第二幕と第三幕の間にプロットポイント2を置く。
このプロットポイント2からクライマックスが始めり、
物語は解決に向かう。

面白いのはこの各幕の割合が1:2:1だそうです。
やはり物語を盛り上げる第二幕に力を入れるということですね。

もっと詳細にこの三幕構成を知りければ「三幕構成」でググれば
たくさん情報があるので探してみて下さい。

それでは実際の動画で検証してみましょう。

せっかくなので最近気になったカロリーメイトCM動画で検証します。

受験直前の女子高生が受験までの1年間を振り返る120秒の物語です。
胸がキュンとなりますよね。BGMも最高。

しかし途中でカロリーメイトがカラー(黄色)で登場するところは
頂けないですね。。宣伝感でぶち壊し。
ここを我慢してくれたらもっと良かったと思うのですが。。

第一幕:状況設定

0:00~0:10
これから受験を行う女子高生という状況を設定します。

第二幕:対立、葛藤

0:11~1:30
受験までの対立や葛藤をこれでもかというくらい盛り込みます。
他のみんなが楽しんでいるのに勉強しなければならないの?
恋愛したいの~
全然わかんない~
母親への八つ当たり
徹夜勉強
合格祈願
そして年間を通して勉強をやり続けてきた描写。

第三幕:解決

1:31~2:00
いよいよクライマックスです。
このプロットポイントにカロリーメイトが出てくるのがやるね~笑
受験日に戻ってきて、合格です!!!

しっかり三幕で構成されていますね。
やはり映画やドラマのように長時間ではない動画なので少し歪ですが
第二幕に時間をしっかり割り当てている。

さて最後にこのCM動画には追加物語があります。

それは、総勢34名もの美大生たちが、総制作時間のべ2,623時間以上かけて
制作した総数6­,328枚にも及ぶ黒板アートのアニメーションで表現した。
ことです。

やっぱりあったメーキング動画。

メーキング動画はすばらしい物語を作ります。
このメーキング動画についてはまたの機会に記事にしたいと思います。

まとめ

・人の心を動かすには”物語”が必要。
・物語の技術である”三幕構成”を活用する。
・メーキングでさらに物語に磨きをかける。